大東亜戦争の敗北後、天皇は神であることを止めたと言ったことになっている宣言が出た。
(正式には新日本建設の詔という。天皇自身は、自分を神だと思ったことはない。当たり前だ。自分を神だと思う生物学者なんていない。そういうことを無視する人達が人間宣言と言っている。もし歴史教科書に、そう書いたなら、その執筆者はそういう中途半端な教養者達と知ろう。)
多くの、中途半端な日本の教養人たちの心に空洞が出来た。そんなタイミングに、日本人のルーツについての本が出た。ベストセラーだ。
チベットだかの方言レプチャ語なるものは日本語とソックリで、日本人の先祖は高天原からでなくて、チベットだかからやって来たに違いないなどと言ったらしい。
ずっーと後年、安藤氏自身が、何やら外国の書物の中に見つけて「しめた」と、書物にしたということを認めた。盗作部分もあるというのはそういう事情だ。それでも売れた。著者も、出版社も儲かった。
大野晋さんが批判した。詳細で、ていねいな批判だ。
大野晋さんによる批判と同じ趣旨だが、もっとどぎつく言うことができる。
殺す ⇔ キル
犬小屋 ⇔ ケンネル
道路 ⇔ ロード
こんなの並べて、日本語と英語が兄弟言語だなんて言えないことは分かろう。
何か奇抜なことを書いた本を出して本人および出版社が金儲けする。さきごろの週刊誌、ちかごろのテレビ,同じだ。
無責任な言説だった。戦後は、こうした言説でも処罰されないことを証明した。
今、安藤徳太郎の本は古書店で見ない。文庫収納も知らない。
批判した大野晋さんの後年。インド南部の言語が日本語と関連あるという発表した。レプチャ語説批判と同じ方法の誤りを、今度は大野晋さんが自分からやっていると、批判を浴びた。
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